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14.11.2020 | 歴史

昔、火星のあった場所

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発行元 藤田雅矢 .

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    商品基本情報

    • 著者:  北野勇作
    • 発売日:  2018年08月01日
    • 出版社:  惑星と口笛ブックス
    • 商品番号:  1230002453378
    • 言語:  日本語
    • 対応端末:  電子書籍リーダー,Android,iPhone, iPad,デスクトップアプリ

    エディションノート


    SFやファンタジーを中心に、独自の道を切り開く北野勇作の長編第一作にして、第四回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。待望の電子書籍化。


    はたしてここは地球なのか、火星なのか。そんなことすらわからなくなってしまったこの場所。入社三か月足らずの「ぼく」はある日、会社の上層部に呼びだされる。そして、ある任務を言い渡される。それは失踪した元同期の社員を排除する仕事だった。同期は会社を恨み「鬼」になったのだった。


    不確定性が渦巻く世界、頻出する古の地球の民譚のキャラクター、オニ、タヌキ、猿と蟹。世界の成立をめぐる謎。その謎を解き、世界を安定させようとするAI「小春」。混在する時間、眠る宇宙飛行士たち。「門」とは何か? まっすぐこの世界めがけて突き進んでくるものとは何か? 桃太郎はいったい誰なのか?「ぼく」ははたして自分を、そして世界を混沌から救うことができるのか。不確定の泥船のようなこの世界を。


    プラットホームは、端から崩れはじめていた。速度を増しながらーー。

    ぼくは、ドアの前に立って、ぼんやりそれをながめている。

    さっきからずっと、どしゃぶりの雨のような音がぼくを包みこんでいた。いや、なにも映していないテレビの音なのかも知れない。

    「なにしてるんだ、早く乗れよ」

    船が地面をこする音が大きくなってくる。ぼくには、それがこの世界のあげる悲鳴のようにも聞こえるのだ。

    「この世界は、壊れてしまうのか。この場所は、もう」

    そんな、今となってはあたりまえのようなことをぼくはようやく口にする。

    ホームの屋根がたわみ、その負荷に耐えられない部分から崩れようとしていた。

    「そうだよ。あの船を停止させるための制動媒体だ。この世界は、クッションのかわりに使われるのさ」

    高まるノイズのなかで、時計屋は叫んだ。


    惑星と口笛ブックス版あとがきつき。〈ブックス・ファンタスティック〉シリーズ第一作。

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