悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年 (講談社+α新書) by 飯塚訓 ダウンロード PDF EPUB F2
筆者の方はTBSの記者の方ですが、とても丁寧に遺族の方と接して
書いておられるということが伝わってくる、誠実さを感じる文でした。
遺族の方だけでなく、それに寄り添う方(日航の人も含めて)、事故調査委員の方。
ひとつひとつのお話が胸に突き刺さるようでした。
20年、30年など節目の時などに特集番組に出演される遺族の方のお姿を拝見しているせいでしょうか、
この本や昨日テレビで見た33年目のお姿が年月の経過、高齢化の実態を痛感させられ、
それでも続く悲しみが、この事故の凄まじさを語っているように思いました。
昨日見たのは別のTV局の再現ドラマでしたが、遺族へかけられる心無い近所の人の声、
取材のことば、あろうことか宗教への勧誘まであったことがこの本でも語られ、憤りを感じます。
また、本の最後の方、事故調査委員会の方がボーイング社に完敗だと悔しがっておられるところ、
同じ気持ちになって悔しく思いました。
これだけの人の人生が変えられてしまったのに。
衝撃的な事実や真相などが出てくる本ではありませんが、
事故関係者の気持ちが切々と伝わってくる良い本だと思います。